【開発会社が解説】ノーコードとは?できることやローコードとの違い
ノーコードとは、コーディングを使わずにアプリやシステムを開発できる開発方法。
ノーコードを使うと「プログラミングの知識がなくとも開発が行える」と言われており、従来のスクラッチ開発に比べて圧倒的に開発期間・費用が抑えられるのが特徴。
本記事では、ノーコード受託開発を行うEPICs代表の大熊がノーコード開発について解説していきます。
また、以下記事ではノーコード全般の開発事例について紹介しています!合わせてチェックしてみてください!
→ノーコードで作られたアプリの成功事例44選【タイプ別に紹介】
また、ノーコードについては動画でも解説しています。是非チェックしてみてください。
- ノーコードとは?ローコードやスクラッチとの違い
- ノーコードでできること
- ノーコードのメリットと注意点
- 代表的なノーコードツールと選び方
- ノーコード開発の費用
- ノーコードで作られたアプリの開発事例5選
ノーコードとは?開発会社がわかりやすく解説
ノーコードとは、コーディングを行わずにアプリやWebシステムを開発する開発方法のことです。
開発方法にはノーコード以外にも、ローコードとスクラッチ(完全なコーディング)があります。それぞれの特徴を解説してきます。
開発手法 | 費用 | 開発期間 | 柔軟性 |
---|---|---|---|
ノーコード | ◎ | ◎ | ◯ |
ローコード | ◯ | ◯ | ◯ |
スクラッチ | △ | △ | ◎ |
ノーコード
コーディング不要で直感的な操作でアプリケーションを作成する方法。
通常フルスクラッチ開発時間やコストの大幅な削減が可能です。
ローコード
少量のコーディングは必要ですが、スクラッチに比べるとコーディングが少ない開発手法。
スクラッチ
全てを一からコーディングする方法。柔軟性が高いものの、最も多くの費用と時間がかかります。
ノーコードとローコードの違い|柔軟性が違う
ノーコードとローコードはどちらもコーディングを減らして開発ができる方法ですが、その使用目的と機能性には違いがあります。
全体としては柔軟性が異なると認識していけばよいでしょう。
ノーコード
ノーコードは、基本的にはコーディングを行わずにアプリケーションを作成できます。(ノーコードのみで実装できないものはコーディングをいれることも可能)
操作は主にドラッグ&ドロップや設定メニューを通じて行われ、直感的に操作がしやすいことが特徴です。
ノーコードは、特にシンプルなアプリケーションやプロトタイプの迅速な開発、または小規模から中規模の開発に適しており、開発費用や期間を大幅に短縮できるため、開発のハードルを大きく下げることが可能です!
ローコード
ローコードはノーコードとスクラッチの間のような開発手法です。
スクラッチのようにすべてコーディングは作るわけではないですが、ノーコードよりも少し多くのコーディングが必要とされます。それにより開発の柔軟性が増します。
ローコードツールを使用することで、より複雑なロジックやカスタマイズが必要なアプリケーションも開発可能になります。
ノーコードに比べると開発費用や期間は増加するため、ノーコードでは対応ができない機能を実装する際は検討してみると良いでしょう!
ノーコードが注目される理由
ノーコード開発が注目される主な理由は、アプリがより身近なものになったり、デジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドが進行する中で、多くの企業が迅速にアプリケーションを開発し、ビジネスプロセスを最適化したいと考えていることがあげられるでしょう!
具体的には、以下の点が挙げられます。
IT人材不足
現在、多くの企業でITスキルを持つ人材が不足しています。この人材不足は、新しいシステムの開発や既存システムの改善が困難になる主要な原因の一つです。
開発コストの増加
IT人材の不足により、エンジニアの価格が高騰しています。そのため、特に中小企業にとっては、開発プロジェクトの予算が制約となることがあります。
迅速な開発ニーズ
ビジネス環境は常に変化しており、その変化に迅速に対応するためには、アプリケーションを素早く開発し、市場に投入する能力が重要です。
こういった背景から、ノーコード開発が注目されています。
ノーコードでは何ができる?|カオスマップをもとに解説
ノーコードツールを利用すると、多岐にわたるアプリケーションやWebサイトの開発が可能です。
具体的にどのようなものが作れるのか、ノーコード開発のカオスマップを参考に詳しく解説します。
カオスマップとは、ノーコードツールが提供する様々な機能と、それを利用して何が開発できるのかを示した図です。例えば、ノーコーダーズジャパンのカオスマップには、ノーコードで開発可能なアプリケーションの事例が表示されています!
ノーコードを使いことでスクラッチの開発方法に比べて大幅に開発時間とコストを削減しながら、開発ができるようになります!
ノーコードツールの進化により、ますます多様なアプリケーションの開発が手軽になり、中小企業でも大企業と同様にデジタル化を進めることができるようになりますね!
ノーコードのメリットと注意点|開発会社が解説
ノーコード開発には多くのメリットがありますが、注意すべき点も存在します。
ここでは、その両方についてわかりやすく解説していきます!
ノーコードのメリット
低予算で開発可能
ノーコードツールを使用すると、コーディングの工数を削減し人員の配員も減らせるため、開発コストを大幅に削減できます。特に予算が限られている場合には大きなメリットですね!
開発スピードが非常に早い
コーディング作業が省略されるため、開発プロセスが速くなります。これにより、迅速に開発や改修作業を行うことができるため、市場の変化に柔軟に対応することが可能です。
開発後の運用費用も低い
ノーコードで開発されたアプリは、最初の開発費用のみならず、スクラッチやローコード開発に比べて保守が容易であり、運用に関わるコストも削減できます!
ノーコードの注意点
稀に柔軟性が足りないことがある
ノーコードツールは、基本的にはあらかじめ設定された機能やテンプレートを主に使用して開発を行います。
そのため、非常に特定化されたニーズや複雑な機能を持つアプリケーションを開発する場合、実装が難しいことがあります。
しかしノーコードの中にはBubbleやFlutter Flowなどの、コーディングも行えるツールもあり、またツールごとに特徴が異なるため、開発内容に適したツールを選定することで解消ができるケースも多いです!
プラットフォームに依存するリスク
使用しているノーコードツールがサービスを終了すると、開発したアプリケーションが使用できなくなる可能性があります。
例えば、Bubbleのようにサービス終了時にソースコードを公開するものもありますが、心配な場合は事前に該当のツールがそのようなサポートを行っているか確認をしてみるといいでしょう!
日本語対応していないツールが多い
国内にもノーコードツールはありますが、やはり実用性の高いものとなると海外に本社を構えるノーコードツールを選択することも多いと思います。
その際開発に伴うドキュメントやカスタマーサポートが日本語に対応していないケースも多々です。
そのため、英語に苦手意識のある方は開発が一層難しく感じるかもしれません。
以上のメリットと注意点を理解し、自社のニーズに最も合ったツールを選択することが、ノーコード開発の成功には不可欠です!
これらのポイントを把握し、効率的なビジネス運営と成長を支えるための強力な手段としてノーコード開発を活用していきましょう!
代表的なノーコードツール
ノーコード開発を行うためには適切なツールを選択することが重要です。
ここでは、代表的なノーコードツールをいくつか紹介し、それぞれの特徴を解説します!
Bubble|複雑なアプリやシステムの開発も可能
Bubbleは、比較的複雑なアプリやシステムの開発も可能なノーコードプラットフォームです。
世界中で33万人以上のユーザーに利用されており、約400種類のテンプレートと1000種類以上のプラグインを提供しています。
カスタマイズ性が高く、柔軟性、拡張性ともに優れている点が特徴です!
Adalo|iOSやAndroid向けのアプリに特化
Adaloは、スマートフォンアプリの開発に特化したノーコードツールです。
豊富なテンプレートと直感的な操作性が特徴で、特にiOSやAndroid向けのネイティブアプリを簡単に作成することができます!
Bubbleと比較すると、カスタマイズ性はやや劣りますが、その分比較的用意にアプリの開発が可能です!
Glide|簡単な業務アプリなどを作れる
Glideは、スプレッドシートやExcelとの連携を基に、シンプルなアプリケーションの開発が行えるツールです。
そのため、スプレッドシートなどを日常的に使っている場合は、オペレーションに大きな変化を加えることなくシステム化を行うことができます!
ネイティブアプリを作ることができなかったり、機能の柔軟性には限度がありますが、小規模な業務アプリケーションには適しています。
Click|直感的にスマホアプリが開発できる
Clickは、日本国内で運営されているノーコードツールで、スマホアプリ開発を直感的に行うことができます!
特徴や使用感なども先述で紹介したAdaloとかなり似ています。
ドラッグ&ドロップで自由にアプリをデザインでき、iOSとAndroidの両プラットフォームに対応しています!
そのため、日本のツールを使いたい!かつシンプルなスマホアプリを作りたい!という場合は適していそうですね!
STUDIO|Webサイト制作に特化したノーコードツール
STUDIOは、Webサイト制作に特化したノーコードツールです。非常に柔軟にデザインを構築できるため、ホームページやLPなどの制作に適しています。
直感的な操作で、美しいデザインのWebサイトを簡単に作成できます!
※一時期ですが弊社もSTUDIOでブログの運用をしていたことがあります!
これらのツールは、それぞれ異なる強みと特徴を持っています。自社のニーズに最も合ったツールを選択することで、効率的にアプリケーションやWebサイトを開発することが可能です。
ノーコードツールを選ぶ4ポイント|開発会社が伝授
ノーコードツールを選ぶ際には、その選定プロセスが非常に重要です。
そこで、効果的なツールを選ぶために考慮すべき4つのポイントを紹介します!
1. ツールの特徴が目的にあっているか
ノーコードツールと一口に言ってもツールごとに特徴は様々です!
いい開発をするためには、目的に合った特徴を持つノーコードツールを選ぶことがとても大切です!
作りたいアプリや機能を整理したら、どのツールが適しているかを選定しましょう!
2. 将来的に欲しい機能も開発できるか
ビジネスは成長し、変化するものです。
また予算の兼ね合いもあると思うので、開発は最初から欲しい機能を全て実装することは珍しく、基本的には必須機能から少しづつ機能を付け足していくケースが多いです!
そのため選択するノーコードツールが将来的にも対応可能な拡張性を持っているかどうかも重要です!
最初からは想定しきれないことも多いとは思うので、そう言った場合は同じようなアプリの開発事例のある会社に相談してみるといいと思います!
3. サポート体制が整っているか
ツールの使い方に不明点が生じたときや、技術的な問題が発生した場合に迅速に対応してもらえるかどうかは非常に重要です!
充実したカスタマーサポートや豊富なドキュメント、活発なユーザーコミュニティがあるかなども判断基準になりそうですね!
4. 日本語に対応しているか
国内で使用する場合、日本語のサポートが整っているかどうかも判断基準になることがあります。
英語の使用が難しい場合は、日本語でのドキュメントの提供、日本語対応のカスタマーサポートがあるかを確認し、社内の利用者が使いやすい環境を選ぶといいでしょう!
これらのポイントを踏まえ、ツールの選定を行うことで、ノーコード開発を効率的に進めることができます。
正しいツール選びが、開発の成功に直結するため、各ポイントをしっかりと整理してツールを選定するといいでしょう!自身で判断が難しい場合は、様々なツールに知見のある開発会社に相談してみるのもいいと思います!
ノーコード開発の費用は?|自社事例をもとに解説
ノーコード開発の費用は、従来のソフトウェア開発方法に比べて格段に低く抑えられることが多いですが、具体的にどの程度の費用がかかるのか、自社の事例を基に解説します!
ノーコード受託開発会社に依頼する場合
開発する内容や期間などによって開発費は変動しますが、おおよその目安として外部の開発会社にノーコード開発を依頼する場合は、100万円から300万円程度の開発費用が目安になります!
そのためフルスクラッチの開発に比べれば1/5~/10にコストを抑えることができます!
ノーコードを使った開発では、維持や管理も比較的容易なため、長期的な運用コストも削減できる点も魅力です!
公開後の保守運用などの費用も月額1万円から5万円程度でおさまることが多いです!
インハウス/個人で開発を行う場合
インハウスや個人で開発を行う場合にかかる費用としては、「ツールの月額」と「人件費」がメインです!
ノーコードはそれぞれにツールごとの月額プランがあります。
少し触るだけであれば無料プランから始めることができますが、公開機能をフルに活用するためには有料プランへの移行が必要になります!
目安ですが$30〜$50/月くらいの月額のものが多いです!
また自社で開発する場合の主な費用はこの料金プランに加え、アプリ開発を行う社員の人件費を考慮する必要があります!
外注での支払いを抑えられる一方で、アプリ開発に必要なスキルがない場合、研修や学習の時間とコストも考慮する必要があるので注意が必要なポイントです!
ノーコードで作られたアプリの開発事例5選
1. Az-Study(弊社事例)
『Az-study』は、学習塾を運営している企業様よりご依頼をいただき開発をした案件になります!
アプリの概要としては塾の講師や担当者が各生徒の目標に合わせた学習計画を作成し、その計画に沿って各生徒ごとに学習状況の管理や学習へのモチベーションを上げるような機能が実装されています!
加えて生徒がその日、その週にどれほど勉強したのか?をタイマーで計測することができ、その学習時間を塾内の生徒と比較をしたり、学習時間ランキングを表示させることで学習意欲の向上にも繋げられます。
Az-studyの開発事例詳細はこちら
2. unifle(弊社事例)
『unifle』は、学生のお子さんを持つ親御さんのための学生服専用のフリマアプリです!
メルカリのように出品、購入支払いまでアプリを通じて行えるようになっており、機能群としては王道フリマアプリの機能を網羅したような内容になっています!
またサービスの特性上、アプリ利用時には本人確認証の提示及び認証の機能なども実装されています!
unifleの開発事例詳細はこちら
3. ICHIGEN(弊社事例)
ICHIGENは解体工事などを行っている企業様よりご依頼をいただき開発をした社内アプリになります!
今までエクセルなどのアナログ管理をしていた、現場に行っている従業員様の勤怠管理や現場の状況の把握、加えて売上の管理機能などを網羅的にアプリ化をさせていただきました!
そのため現場の開始から終了までの一通りの管理。加えて全体の収支の管理までアプリ内で一気通貫で行えるようになっています!
4. Re:haru
『Re:haru』は、教えたいことと教わりたいことを軸にマッチングができるマッチングアプリです!
まずは最短でミニマムな予算から開発をしたいとのことで、必要機能の洗い出しから関わらせていただき、開発期間はわずか1.5ヶ月で公開に至りました。
PWA形式での公開をしていますが、webでのプッシュ通知も実装をしており、ストアに公開しているアプリさながらに使用ができます!
5. DemoType
DemoTypeは、商品のレビューやライフスタイルを投稿できるSNSアプリです!
自由時間やちょっとした隙間時間にショート動画で商品のレビューなどを確認し、そのまま購入まで行えるアプリになっています!
加えてユーザー同士でフォローやお気に入りをし合うなど、ユーザー間でのコミュニケーションも楽しめるアプリになっています!
こちらの開発に関してはアプリのみならず、ロゴとLPも含めトータルで開発の対応をさせていただきました!