AppSheetとは?特徴や選ぶべきケース、他ツールとの違いを紹介

業務効率化やデジタル化が求められる現代において、プログラミング知識がなくてもアプリケーションを作成できる「ノーコード開発」が注目を集めています。
その中でも、Googleが提供するAppSheetは、特にビジネス現場での活用に優れたプラットフォームとして多くの企業で導入が進んでいます。
本記事では、AppSheetの基本的な概要から特徴、活用すべきケース、他のノーコードツールとの違いまで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
EPICs株式会社では、日本最大級の実績を持つノーコード開発会社として、AppSheetを含む複数のノーコードツールに対応。お客様の開発したいものに最適なツールを選定することで、費用・開発期間を大幅に削減できます。
AppSheetとは何ができるツールなのか?
Googleが提供するノーコード開発プラットフォームで、プログラミング知識なしで業務アプリを作成できます。在庫管理、顧客管理、タスク管理など社内向けのシンプルな業務システムが数時間から数日で開発可能。Google Workspaceとの連携が強力です。
AppSheetを選ぶべきケースと避けるべきケースは?
社内向けのシンプルな業務効率化アプリなら最適。一方、複雑なロジックや高度なデザインが必要な場合、一般消費者向けアプリには不向き。そのような場合はBubbleやFlutterFlowなど他のノーコードツールを検討すべきです。
AppSheetの料金はどのくらいかかるのか?
無料プランから月額50ドルまで5つのプランがあります。Google Workspaceの有料プラン利用者は月額10ドル相当のCoreプランが無料で使用可能。小規模チームなら月額5ドルのStarterプランで十分な機能を利用できます。
AppSheetとは
AppSheetは、Googleが提供するノーコード・ローコード開発プラットフォーム。
プログラミングの専門知識がなくても、直感的な操作でビジネスアプリケーションを作成できるツールです。
2020年にGoogleに買収されて以降、Google Workspaceとの連携が強化され、特に企業での業務効率化ツールとしての地位を確立しています。
スプレッドシートやデータベースなどの既存データを活用して、モバイルアプリやWebアプリを素早く構築できる点が最大の特徴。
従来のアプリ開発では、企画から完成まで数ヶ月から数年を要することも珍しくありませんでした。
しかし、AppSheetを使用することで、数時間から数日でプロトタイプを作成し、実際の業務で使用できるレベルのアプリケーションを短期間で完成させることが可能になります。
また、作成したアプリはクラウド上で動作するため、インターネット環境があればどこからでもアクセス可能。
チーム全体での情報共有や、外出先での業務にも柔軟に対応できます。
AppSheetの特徴
AppSheetを活用する際に知っておくべき主要な特徴を、以下の3つの観点から詳しく見ていきましょう。
・内部向けの業務アプリが手早く作れる ・Google系サービスとの連携が豊富
・できることは少ない
1. 内部向けの業務アプリが手早く作れる
AppSheetの最大の強みは、社内業務に特化したアプリケーションを驚くほど短時間で作成できることです。
従来のアプリ開発では数ヶ月から数年を要していた工程を、AppSheetなら数時間から数日で完成させることが可能。
具体的には、在庫管理、案件管理、顧客情報管理、勤怠管理、経費精算など、企業が日常的に使用する業務アプリを直感的な操作で構築できます。
ドラッグ&ドロップやプルダウンメニューを使って誰でも操作できるため、IT部門に依頼することなく、現場の担当者自身がアプリを作成することも可能です。
また、パソコン、モバイル、タブレットに対応する1つのアプリを構築できるため、外出先での作業や移動中のデータ確認にも対応。
作成したアプリはクラウド上で動作するため、チーム全体での情報共有がリアルタイムで行えます。
2. Google系サービスとの連携が豊富
Google スプレッドシートから Salesforce までさまざまなデータソースに接続できる中でも、特にGoogle Workspaceとの親和性は抜群です。
Google カレンダーやスプレッドシートなどのデータと連携することができるため、既存の業務フローを大きく変更することなく、アプリ化による効率向上を実現できます。
例えば、Googleスプレッドシートで管理していた顧客リストをそのままAppSheetのデータソースとして活用し、営業管理アプリを作成することが可能。
データの更新は双方向で反映されるため、スプレッドシートでの作業に慣れた社員も違和感なく新しいアプリを利用できます。
さらに、注文の承認やユーザー通知など、ビジネス プロセスを自動化する機能により、Gmailでの通知送信やGoogleカレンダーでの予定自動登録など、業務の自動化も実現できます。

これにより、手作業によるミスの削減と作業時間の短縮を同時に達成できます。
3. できることは少ない
AppSheetは手軽さが魅力である一方で、複雑な処理には限界があります。
Google AI と ML でユーザーの意向に基づいてアクションとビューを自動作成する機能はあるものの、簡単なロジックにしか対応していないのが実情です。
「こういう場合はこう、だけどこういう場合はこう」といった細かい条件分岐を多数設定するような複雑なアプリケーションの開発は困難。
例えば、複数の部署をまたいだ複雑な承認フローや、高度な計算処理を必要とするシステムには不向きです。
また、デザインのカスタマイズ性も限定的で、企業のブランディングに合わせた細かなUI調整は難しい場合があります。
そのため、AppSheetは「まずは業務効率化を実現したい」「プロトタイプを素早く作成したい」といったニーズに最適なツールと言えるでしょう。
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AppSheetでできることの例

AppSheetを活用することで、企業の様々な業務プロセスを効率化するアプリケーションを開発できます。
特に社内向けの業務システムにおいて、その真価を発揮。
下記が、AppSheetで具体的に開発可能なアプリケーションの代表例です。
- 在庫管理・備品管理システム
- 顧客管理システム
- タスク管理システム
- 案件・プロジェクト管理システム
- 日報管理・報告書管理システム
Appsheetで具体的にできることについては、「AppSheetの活用事例!在庫管理や顧客管理などできることを解説」で解説しています。
詳しくはこちらをご確認ください。
AppSheetでできないこと
AppSheetは業務効率化に優れたノーコードツールですが、すべてのアプリケーション開発に対応できるわけではありません。
開発を検討する前に、AppSheetの限界を理解しておくことが重要です。
以下は、AppSheetで対応が困難なことの一覧です。
- 複雑で高度なフローの自動化
- 複雑な計算
- 非常に大きなデータの処理
- 数万ユーザーの同時使用
- オフライン環境での全機能保持
- 複雑なアクセス権限の設定
- 完全独自のレイアウト
- 凝ったアニメーション
- 日本語での開発
- 本格的なバージョン管理
- 複数人での同時開発
AppSheetでできないことについては、「AppSheetでできないことを機能・デザインなど領域別に解説」で解説しています。
詳しくはこちらをご覧ください。
AppSheetを選ぶメリット・デメリット
AppSheetでのアプリ開発を検討する際は、その特性を正しく理解することが重要です。
AppSheetは基本的にテンプレートベースで制作を進めるツールであり、この仕組みがメリットとデメリットの両方を生み出しています。
以下では、AppSheetを選択する際の主要なメリット・デメリットを詳しく解説します。
・費用をかけずに業務改善ができる
・学習コストが比較的低い
・デザインにこだわれない
・あまり高度なことはできない
メリット1. 費用をかけずに業務改善ができる
AppSheetの最大のメリットは、従来のシステム開発と比較して圧倒的に低コストで業務改善を実現できることです。
Google Workspaceの一部のプランには AppSheet Core ライセンスが自動的に含まれているため、既にGoogle Workspaceを利用している企業であれば、追加費用なしでアプリ開発を始められます。
従来のスクラッチ開発では数百万円から数千万円の費用が必要だった業務システムも、AppSheetなら数万円から数十万円程度で開発可能。
特に中小企業にとって、この費用対効果の高さは大きな魅力となります。
また、開発期間も大幅に短縮できるため、システム導入による効果をより早期に実感できる点も重要なメリットです。
メリット2. 学習コストが比較的低い
ドラッグ & ドロップやプルダウンメニューを使って誰でも直感的に操作できるAppSheetは、プログラミング未経験者でも比較的短期間でアプリ開発のスキルを習得できます。
”AppSheet Editor helps make creation easier by automatically generating app prototypes and providing smart suggestions for quick customizations”
という機能により、初心者でもスムーズに開発を進められる環境が整っています。
既にGoogleスプレッドシートに慣れ親しんでいる担当者であれば、その知識を活かしながらアプリ開発に取り組めるため、新たに覚える必要がある操作は最小限に抑えられます。
また、豊富なテンプレートが用意されているため、ゼロからの開発ではなく、既存のテンプレートをカスタマイズする形で進められることも学習負担を軽減する要因となっています。
デメリット1. デザインにこだわれない
AppSheetの大きな制約の一つが、デザインの自由度の低さです。
Appsheetは基本的に決まったテンプレートやレイアウトに沿って開発を行いますため、企業のブランドイメージに合わせた独自のデザインを実装することは困難です。
特に、顧客向けのアプリケーションや、ユーザーエクスペリエンスを重視するサービスの開発には不向き。
色彩やフォント、レイアウトの細かな調整ができないため、プロフェッショナルな見た目のアプリケーションを求める場合は、他のツールを検討する必要があります。

この制約により、AppSheetは主に社内向けの業務アプリケーションに用途が限定される傾向があります。
デメリット2. あまり高度なことはできない
Appsheetは比較的シンプルな機能のシステムやアプリ開発に向いているツールである反面、複雑なビジネスロジックや高度な機能の実装には限界があります。
例えば、複数の条件を組み合わせた複雑な承認フローや、リアルタイムでの高度なデータ分析機能などは、BubbleやFlutterFlowといった他のノーコードツールでないと実現できないことがあります。
このため、開発を進めてから「実現したい機能がAppSheetでは対応できない」という事態に陥るリスクがあります。
プロジェクトの要件定義段階で、AppSheetの機能範囲を十分に検討し、必要に応じて他のツールへの切り替えを含めた開発計画を立てることが重要です。
特に、将来的な機能拡張を見据えた場合、最初から高機能なノーコードツールを選択する方が、長期的には効率的な場合もあります。
AppSheetを選ぶべき・他ツールを選ぶべきケース

ノーコード開発において最も重要なのは、プロジェクトの要件に最適なツールを選択することです。
AppSheetは優れたツールですが、すべてのケースに適しているわけではありません。
以下では、どのような場合にAppSheetを選ぶべきか、また他のツールを検討すべきかについて具体的に解説します。
シンプルな社内向けアプリならAppSheet
AppSheetが最も力を発揮するのは、社内の業務効率化を目的としたシンプルなアプリケーション開発です。
AppSheetを使うことで、在庫や備品の管理を効率化するシステムが開発できますし、顧客情報の管理に最適なシステム開発が可能など、基本的な業務プロセスのデジタル化には非常に適しています。
特に以下のようなケースではAppSheetが最適な選択肢となります。
まず、Google Workspaceの一部のプランには AppSheet Core ライセンスが自動的に含まれているため、既にGoogle Workspaceを活用している企業では追加コストを抑えて導入できます。また、Google カレンダーやスプレッドシートなどのデータと連携することができるため、既存の業務フローを大きく変更することなくアプリ化が可能です。
さらに、開発期間を短縮したい場合や、IT部門のリソースが限られている企業にとって、ドラッグ & ドロップやプルダウンメニューを使って誰でも直感的に操作できるAppSheetは理想的なソリューション。
現場の担当者が自らアプリを作成・改善できるため、システム部門への依存度を下げながら業務改善を進められます。
具体的には、日報管理、出退勤管理、備品管理、簡単な顧客管理、タスク管理といった、複雑なロジックを必要としない業務アプリケーションであれば、AppSheetで十分な機能を実現できるでしょう。
高度なもの・外部向けならBubbleやFlutterFlow
一方で、より高度な機能や外部向けのアプリケーション開発が必要な場合は、BubbleやFlutterFlowといった他のノーコードツールを検討すべきです。
Appsheetは比較的シンプルな機能のシステムやアプリ開発に向いているツールであるため、複雑なビジネスロジックや高度なユーザーインターフェースが必要なプロジェクトには適していません。
BubbleやFlutterFlowが適している具体的なケースとしては、まず一般消費者向けのアプリケーション開発が挙げられます。
AppsheetはUIを自由にカスタマイズすることが出来ず、機能も限定的なので一般消費者向けに広く公開はするアプリはあまりおすすめできません。
これに対して、BubbleやFlutterFlowは高度なデザインカスタマイズが可能で、ブランディングを重視したアプリケーションの開発に適しています。
また、複雑なワークフローや高度なデータ処理が必要なシステムでは、AppSheetの機能では対応できない場合があります。
例えば、多段階の承認プロセス、リアルタイムでの複雑な計算処理、外部APIとの高度な連携、大量のデータを扱うダッシュボード機能などは、より強力なノーコードツールが必要です。
さらに、将来的な機能拡張を見据えた場合、最初からBubbleやFlutterFlowを選択する方が長期的にはコスト効率が良い場合もあります。
AppSheetで開発を始めてから機能の限界に直面し、他のツールに移行するリスクを考慮すると、プロジェクトの要件を慎重に検討した上でツール選択を行うことが重要です。
特に、スタートアップ企業でのMVP(最小実行可能製品)開発や、顧客向けサービスの構築、複雑なECサイトの開発などでは、BubbleやFlutterFlowの方が適している場合が多いでしょう。
「受託開発サービス概要」が同梱されたお役立ち資料セット

AppSheetの料金プラン
AppSheetの導入を検討する際、自社の開発規模や利用目的に適したプランを選択することが重要です。
AppSheetでは用途に応じて5つの料金プランが用意されており、それぞれ利用できる機能や対象ユーザー数が異なります。
以下では、各プランの特徴と目的別の推奨プランについて詳しく解説します。
AppSheetのプラン一覧と目的別おすすめ

Appsheetには、5つのプランがあります。各プランの料金と推奨ケースを以下の表にまとめました。
プラン | 料金(月額) | おすすめケース |
---|---|---|
無料プラン | 無料 | ・まずはAppSheetに触れてみたい・簡単な開発をしてみたい |
Starterプラン | $5 | ・AppSheetの使用感を確かめたい・個人使用のアプリを開発したい |
Coreプラン | $10 | ・身内向けにシンプルな開発をしたい |
Enterprise Plusプラン | $20 | ・複数の機能を実装した本格的な開発をしたい・一般向けにアプリの開発を行いたい |
Publisher Proプラン | $50 | ・アプリを多くのユーザーに一般公開したい |
Appsheetの料金プランについては、「AppSheetの料金プランを解説!目的別おすすめや注意点を紹介」で解説をしています。
詳しくはこちらをご確認ください。
AppSheetでの開発ならEPICs
EPICs株式会社は、AppSheetをはじめとするノーコードツールに特化したプロフェッショナル集団として、日本最大級の開発実績を誇るノーコード開発会社です。
多くの企業様にご依頼をいただき、これまで150件を超えるアプリ・システムを開発してきました。
在庫管理システム、顧客管理システム、案件管理アプリなど、企業の業務効率化に必要なシステムを短期間で開発し、現場スタッフが使いやすいデザインと、業務に必要十分な機能を実現します。
AppSheetの特性を活かしながら、Google Workspaceとの連携を最大限に活用した業務システムの構築が可能です。
また弊社は、企画から設計、開発、そして導入後のサポートまで一貫して対応しております。
定期的なアップデート、トラブル時の迅速対応など、導入後のサポート体制も万全です。
AppSheetの機能では実現が困難な要件がある場合は、BubbleやFlutterFlowなど複数のノーコードツールに対応しているため、お客様の開発したいものに対して最適なノーコードツールで開発することで、費用・開発期間を削減できます。
「どんなシステムが必要か分からない」「AppSheetで実現できるか不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
お客様の予算と希望に合わせた最適なプランをご提案します。
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