AppSheetの料金プランを解説!目的別おすすめや注意点を紹介
業務効率化のためにアプリを開発したいと考えているものの、プログラミングの知識がないために諦めていませんか。そんな方におすすめなのが、Googleが提供するノーコード開発ツール「AppSheet」です。
AppSheetは、プログラミング不要で業務アプリを作成できる便利なツールですが、無料で使える範囲や有料プランの違いが分かりにくいという声も少なくありません。料金体系を正しく理解していないと、予想外のコストが発生したり、必要な機能が使えなかったりする可能性があります。
本記事では、AppSheetの料金プランについて、各プランの特徴や選び方のポイント、注意すべき点まで詳しく解説していきます。
なお、AppSheetをはじめとするノーコード開発をご検討の際は、EPICs株式会社にご相談ください。創業からノーコードに特化し、日本最大級の開発実績を持つ当社なら、複数のノーコードツールの中から最適なものを選定し、最短2週間、最安30万円から開発できます。
AppSheetの料金プランはどうなっているか?
AppSheetには無料プランと4つの有料プランがあります。Starter(月額5ドル)、Core(月額10ドル)、Enterprise Plus(月額20ドル)、Publisher Pro(月額50ドル)で、それぞれ機能やデータ容量が異なります。無料プランは10名まで共有可能です。
Google Workspaceを使っているとどうなる?
Google WorkspaceのBusiness以上のエディションを契約していれば、AppSheetのCoreプラン(通常月額10ドル)が追加料金なしで利用できます。20名で使う場合、年間約36万円のコスト削減になります。
ライセンス数はどう計算される?
ライセンスはメールアドレス単位で、前回更新日から1ヶ月間にサインインしてアプリを使用した人数がカウントされます。複数のアプリを使っても1人は1ライセンスで、1人が最大5台のデバイスを利用可能です。
AppSheetの料金プラン一覧表

AppSheetには、無料プランと3つの有料プランが用意されています。まずは全体像を把握するために、各プランの基本情報を表にまとめました。
| プラン名 | 月額料金(1ユーザーあたり) | データベース数 | 1データベースあたりの行数上限 |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | 0円 | – | – |
| Starter | 約750円($5) | 5 | 2,500行 |
| Core | 約1,500円($10) | 10 | 2,500行 |
| Enterprise Plus | 約3,000円($20) | 200 | 200,000行 |
※料金は米ドル建てのため、為替レートにより変動します。
※Google Workspaceの特定エディションを利用している場合、Coreプランが無料で利用できます。(詳細は後述)
プランごとに利用できる機能やデータ容量が大きく異なるため、開発したいアプリの規模や目的に応じて適切なプランを選ぶ必要があります。次のセクションからは、各プランの特徴と、どのような場合にどのプランを選ぶべきかを詳しく見ていきましょう。
【目的別】AppSheetのおすすめプランは?

AppSheetでどのプランを選ぶべきかは、アプリの用途や開発の規模によって異なります。ここでは、以下の5つの目的別におすすめのプランをご紹介します。
- とりあえず中身を覗いてみたいだけなら無料プラン
- Starterはちゃんと使用感を確かめたい場合に
- Coreは身内向けのごくシンプルな開発に
- Enterprise Plusはしっかり開発するなら
- Publisher Proは一般公開するなら
とりあえず中身を覗いてみたいだけなら無料プラン
AppSheetがどんなものか試してみたい、という段階であれば無料プランで十分です。無料プランでもAppSheetのほとんどの機能を使ってアプリを作成できます。
無料プランで利用できる主な範囲は以下の通りです。
- アプリケーションの作成と編集
- Googleスプレッドシートなどのデータソースの使用
- 基本的なワークフローの設定
- スマホやタブレットでのアプリ利用
- 10名までのユーザーとの共有・テスト
ただし、無料プランには一定の制限があることも理解しておきましょう。
例えば、メールの自動送信やプッシュ通知といった一部の機能は使えません。また、開発したアプリを正式に運用環境へ配置する「デプロイ」を行うと、有料プランへの切り替えが必要になります。
大熊滉希無料プランは、AppSheetの操作感を確かめたり、簡単なアプリを作って実際に動かしてみたりする「お試し期間」として活用するのに最適です。
Starterはちゃんと使用感を確かめたい場合に
無料プランでAppSheetの基本を理解したら、次はStarterプランで本格的な使用感を確かめてみましょう。Starterプランは月額約750円と手頃な価格で、業務アプリに必要な基本機能が一通り揃っています。
- 10人以上のユーザーとアプリを共有できる
- メールによる自動通知機能が使える
- ユーザー認証機能(Google、Microsoftなどでのログイン)
- 5つまでのデータベースを使用可能
- アプリのバージョン履歴管理
Starterプランは、小規模なチームで業務アプリを運用してみたい場合におすすめです。
例えば、部署内で日報管理アプリや簡単な在庫管理アプリを試験的に導入する、といった用途に向いています。
ただし、Starterプランでは一部の自動化機能に制限があります。PDFファイルの自動生成やGoogle Apps Scriptとの連携といった高度な機能は使えないため、より複雑な業務フローを自動化したい場合はCoreプラン以上が必要です。
Coreは身内向けのごくシンプルな開発に
社内やチーム内で使う実用的なアプリを開発するなら、Coreプランがおすすめです。月額約1,500円で、業務アプリに求められる機能のほとんどをカバーできます。
- バーコード・QRコードのスキャン機能
- PDFファイルなど各種ファイルの自動生成
- スケジュールによるデータ変更の自動化
- セキュリティフィルター(ユーザーごとのデータ表示制限)
- ユーザーの役割やグループによる権限管理
- メールでのサポート対応
Coreプランがあれば、請求書の自動発行アプリや、顧客情報を安全に管理する営業支援アプリなど、実務で十分に活用できるアプリを開発できます。
特に注目すべきは、Google Workspaceの特定エディション(Business Starter、Business Standard、Business Plusなど)を契約している場合、Coreプランが追加料金なしで利用できる点です。すでにGoogle Workspaceを使っている企業であれば、実質無料でCoreプランの全機能を活用できるため、大きなコストメリットがあります。
Enterprise Plusはしっかり開発するなら
大規模な業務システムや、高度なセキュリティが求められるアプリを開発する場合は、Enterprise Plusプランを検討しましょう。月額約3,000円と他のプランに比べて高額ですが、企業の基幹業務を支えるアプリに必要な機能が充実しています。
- 200個までのデータベースが使用可能
- 1データベースあたり最大200,000行まで対応
- OCR(光学文字認識)や機械学習モデルの利用
- Salesforce、BigQueryなど高度な外部サービス連携
- Active DirectoryやOktaなど企業向け認証システムとの統合
- チーム全体のアプリ開発工程の管理機能
- 優先的なサポート対応
Enterprise Plusプランは、複数の部署にまたがる大規模なアプリや、取り扱うデータ量が多いシステムの構築に適しています。
例えば、全社的な顧客管理システムや、工場の設備保全管理システムなど、業務の中核を担うアプリを開発する際に選ぶべきプランです。
また、ガバナンス機能も充実しており、組織全体でのアプリ管理やセキュリティポリシーの適用が可能です。企業のIT部門が統制を取りながらアプリ開発を推進したい場合にも向いています。
Publisher Proは一般公開するなら
社外の不特定多数のユーザーに向けてアプリを公開したい場合は、Publisher Proプランが必要になります。これまで紹介したプランは主に社内や限定されたユーザー向けですが、Publisher Proは一般公開を前提としたプランです。
- 顧客向けのサービスアプリとして公開
- 一般ユーザーが自由にアクセスできるアプリ
- アプリストアでの配信
Publisher Proプランの詳細な料金や機能については、Googleへの個別問い合わせが必要です。
一般公開アプリの開発を検討している場合は、AppSheetの公式サポートに相談することをおすすめします。
多くの企業では、まず社内向けのアプリをCoreやEnterprise Plusプランで開発し、運用が軌道に乗った後に一般公開を検討するケースが一般的です。段階的にアプリの規模を拡大していくアプローチが、リスクを抑えながら確実に成果を出す方法と言えるでしょう。
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AppSheetの料金プランをそれぞれ解説

ここからは、各プランの具体的な内容を詳しく見ていきましょう。それぞれのプランで何ができるようになるのか、どんな機能が追加されるのかを理解することで、自社に最適なプランを選びやすくなります。
1. 無料プラン(最大10ユーザーまで対応)
無料プランは、AppSheetを始めるすべての方が利用できる基本プランです。コストをかけずにアプリ開発を体験できるため、まずはこのプランからスタートするのが一般的です。
無料プランでも、業務アプリの開発に必要な基本機能は一通り揃っています。
無料プランで利用できる主な機能は以下です。
- データ表示機能: テーブル形式やチャート、ダッシュボードなどでデータを可視化
- 基本的な自動化: 特定の条件に応じた処理の実行
- Googleスプレッドシート連携: 最もよく使われるデータソースとして活用可能
- Microsoft Excel連携: Excelファイルをデータベースとして使用
- モバイル対応: スマートフォンやタブレットでアプリを利用
特に注目すべきは、無料プランでもGoogleスプレッドシートとの連携が可能な点です。多くの企業がすでに使っているスプレッドシートをそのままデータベースとして活用できるため、追加のデータベース構築が不要になります。
ただし、無料プランにはいくつかの制限があることも理解しておく必要があります。
- ユーザー数制限: 最大10名までしか共有できない
- 機能制限: メールの自動送信やプッシュ通知が使えない
- デプロイ不可: 正式な運用環境への配置ができない
- 用途制限: 個人利用が前提で、商用利用は想定されていない
無料プランは、アプリの試作や社内での検証段階に適しています。本格的な業務運用を始める際は、有料プランへの移行を検討しましょう。
2. Starterプラン(月間5ドル)
Starterプランは、無料プランからステップアップする際の最初の選択肢となります。月額5ドル(約750円)という手頃な価格で、ビジネス利用に必要な基本機能が解放されるのが大きな特徴です。
Starterプランでは、無料プランの最大の制約だったユーザー数制限が解除されます。
- ユーザー数無制限: 10名を超えるメンバーとアプリを共有可能
- メール自動送信: 特定の条件でメール通知を自動送信
- SMS・プッシュ通知: モバイル端末への通知機能
- デプロイ機能: アプリを正式な運用環境に配置できる
- ユーザー認証: Google、Microsoft、Dropboxなどのアカウントでログイン可能
例えば、20名規模のチームで日報管理アプリを使いたい場合、無料プランでは人数制限に引っかかってしまいますが、Starterプランなら問題なく利用できます。
Starterプランでも、一部の高度な自動化機能には制限が残ります。
- ファイル生成不可: PDFなどのファイルを自動生成できない
- データベース数制限: 最大5つまでのデータベース
- 1データベースあたり2,500行まで: 大規模データには向かない
請求書PDFの自動発行やGoogle Apps Scriptとの連携など、より複雑な業務フローを実現したい場合は、次のCoreプランが必要になります。
3. Coreプラン(月間10ドル)
Coreプランは、AppSheetで実用的な業務アプリを開発する際の標準プランと言えます。月額10ドル(約1,500円)で、業務システムに求められる高度な機能とセキュリティが利用可能です。
Coreプランでは、Starterプランで制限されていた機能が大幅に開放されます。
- ファイル自動生成: PDF、Word、Excelなどのファイルを自動作成
- Webhook連携: 外部システムとのデータ連携や自動処理
- バーコード・QRコードスキャン: モバイル端末のカメラで読み取り
- スケジュール実行: 決まった時刻に自動でデータ処理
- 自然言語スマートアシスタント: 音声やテキストでのアプリ操作
例えば、受注データから請求書PDFを自動生成して顧客にメール送信する、といった一連の業務フローを完全に自動化できるようになります。
Coreプランでは、企業での利用に不可欠なセキュリティ機能も充実します。
- セキュリティフィルター: ユーザーごとに閲覧・編集できるデータを制限
- 役割ベースのアクセス制御: ユーザーの役割に応じた権限設定
- グループ管理: 部署やチームごとにユーザーをグループ化
- デバイス内暗号化: モバイル端末内のデータを暗号化
これらのセキュリティ機能により、顧客情報や機密データを扱うアプリも安心して運用できます。
Coreプラン以上では、メールでのカスタマーサポートが受けられるようになります。開発中に技術的な問題が発生した際、Googleの専門スタッフに直接質問できるのは大きなメリットです。
重要なポイントとして、Google WorkspaceのBusiness以上のエディションを契約している場合、Coreプランが追加料金なしで利用できます。
大熊滉希すでにGoogle Workspaceを使っている企業にとっては、実質的に無料でCoreプランの全機能を活用できるため、非常にお得な選択肢となります。
4. Enterprise Plusプラン(月間20ドル)
Enterprise Plusプランは、大規模な業務システムや複雑なアプリ開発に対応できる最上位プランです。月額20ドル(約3,000円)で、企業の基幹システムとして運用するために必要な機能がすべて揃います。
Enterprise Plusプランでは、様々な外部システムとの連携が可能になります。
- Salesforce連携: 顧客管理システムのデータを活用
- BigQuery連携: Googleの大規模データウェアハウスと接続
- OpenAPI: REST APIを使った柔軟なデータ連携
- Apigee: エンタープライズ向けAPI管理プラットフォームとの統合
これらの連携により、既存の業務システムとAppSheetで開発したアプリをシームレスに統合できます。
Enterprise Plusプランでは、複数の開発者がチームで協力してアプリを開発する環境が整います。
- 共有データソース: チーム全体で同じデータベースを利用
- 共有認証ソース: 認証設定をチーム内で共有
- アプリ転送機能: チームメンバー間でアプリの所有権を移転
- 開発工程管理: アプリのライフサイクル全体を管理
- 自動エラーレポート: 問題発生時に自動で報告
大規模プロジェクトでは、複数の担当者が分担してアプリを開発することが一般的です。Enterprise Plusプランのチーム機能により、効率的な共同作業が実現できます。
Enterprise Plusプランでは、AI・機械学習の機能も利用可能です。
- OCR(光学文字認識): 画像から文字を読み取り
- 機械学習モデル: 予測や分類などの高度な処理
- Google AI(Doc AI): Googleの文書理解AIを活用
例えば、紙の伝票をスマートフォンで撮影してデータ化する、といった業務の効率化が可能になります。
組織全体でのアプリ管理に必要なガバナンス機能も充実しています。
- 組織階層の管理: 部門やグループごとの管理構造
- アプリ作成制限: 誰がアプリを作成できるかを制御
- 監査ログのエクスポート: セキュリティ監査用のログ取得
- ガバナンスポリシーの適用: 組織全体での統一ルールの設定
IT部門が全社的なアプリ開発を統制しながら、現場主導の開発を推進する環境を作れます。
5. Publisher Proプラン(月間50ドル)
Publisher Proプランは、これまでのプランとは性質が大きく異なる特殊なプランです。月額50ドル(約7,500円)で、一般ユーザー向けにアプリを公開する際に選択します。
Publisher Proプランの最大の特徴は、ユーザー認証なしで不特定多数の人がアプリを利用できる点です。
- 無制限のユーザー数: 何人でも同時にアプリを利用可能
- ログイン不要: ユーザー登録やサインインの手続きが不要
- 一般公開対応: インターネット上で誰でもアクセス可能
他のプランでは、アプリを使う人は必ずメールアドレスでサインインする必要がありました。しかしPublisher Proプランでは、URLにアクセスするだけで誰でもアプリを使えるようになります。
このプランは、以下のような用途に向いています。
- 顧客向けサービスアプリ: 自社の顧客が使う問い合わせフォームや予約システム
- 一般公開アプリ: 誰でも利用できる情報提供アプリ
- マーケティング用アプリ: 製品カタログや店舗検索など
- コミュニティアプリ: 地域住民向けの情報共有ツール
例えば、飲食店の予約アプリを一般のお客様向けに公開する場合、Publisher Proプランが必要になります。
Publisher Proプランは便利な反面、いくつか注意すべき点があります。
まず、月額50ドルは1アプリあたりの料金です。複数のアプリを一般公開する場合、それぞれに50ドルずつかかるため、コストが膨らみやすい点に注意しましょう。
また、ログイン不要で誰でもアクセスできるため、セキュリティ設計には特に注意が必要です。個人情報や機密情報を扱うアプリには向いていません。
多くの企業では、まず社内向けにCoreやEnterprise Plusプランでアプリを開発・運用し、その後に一般公開の必要性を検討するのが一般的な進め方です。
最初から一般公開を前提とする場合も、プロトタイプは社内向けプランで作成し、十分にテストしてから Publisher Proプランで公開するのが安全でしょう。
Google Workspace有料ユーザーならCoreプランが使える

AppSheetの料金を検討する際、Google Workspaceをすでに利用している企業にとって非常に重要な情報があります。それは、Google Workspaceの特定エディションを契約していれば、AppSheetのCoreプラン(通常月額10ドル)が追加料金なしで利用できるという点です。
以下のGoogle Workspaceエディションには、AppSheet Coreライセンスがデフォルトで含まれています。
- Businessエディション: Business Starter、Business Standard、Business Plus
- Enterpriseエディション: Enterprise Standard、Enterprise Plus
- Frontlineエディション: Frontline Starter、Frontline Standard
- Nonprofits: 非営利団体向けエディション
- Education Standard: 教育機関向けエディション
つまり、Google WorkspaceのBusiness以上のエディションを契約している企業であれば、実質無料でCoreプランの全機能を活用できるということです。
具体的な金額で考えてみましょう。例えば、20名のチームでAppSheetを使う場合を想定します。
- AppSheetのみ契約する場合: 月額10ドル × 20名 = 200ドル(約30,000円)
- Google Workspaceに含まれる場合: 追加料金0円
年間で考えると、約36万円のコスト削減になります。これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。
さらに、Google WorkspaceとAppSheetを組み合わせることで、業務効率化の相乗効果も期待できます。
- Googleスプレッドシート: データベースとしてシームレスに連携
- Gmail: アプリからメールの自動送信や受信トリガーの設定
- Googleドライブ: ファイルの保存・管理をスムーズに実行
- Googleカレンダー: スケジュール連携や日時指定の自動処理
- Google Chat: チャットからアプリへの直接アクセス
これらのGoogleサービスとの連携により、普段の業務の延長線上でアプリを活用できます。新しいシステムに慣れるための学習コストを最小限に抑えられるのも大きな利点です。
ただし、Google WorkspaceのCoreプランを利用するには、いくつか条件があります。
まず、ドメイン所有権の証明が必要です。つまり、無料のGoogleアカウント(@gmail.com)ではなく、独自ドメイン(@yourcompany.comなど)でGoogle Workspaceを契約している必要があります。
また、Google Workspace管理者が各ユーザーに対してAppSheetの利用を有効化する必要があります。管理コンソールから設定を行うことで、組織内のメンバーがAppSheet Coreを使えるようになります。
注意点として、AppSheetのEnterprise Plusプラン(月額20ドル)は、Google Workspaceには含まれていません。より高度な機能が必要な場合は、Google Workspace管理コンソールから別途サブスクリプションを購入する必要があります。
とはいえ、多くの企業ではCoreプランの機能で十分に実用的な業務アプリを開発できます。まずはCoreプランで開発を始めて、必要に応じてEnterprise Plusへのアップグレードを検討するのが賢明な進め方でしょう。
Google Workspaceをすでに契約している企業にとって、AppSheetは実質無料で使える強力な業務改善ツールです。
追加コストをかけずに、日報管理、在庫管理、顧客管理など様々な業務アプリを開発できるのは大きな魅力と言えます。
まだAppSheetを試していないGoogle Workspaceユーザーの方は、ぜひこの機会に活用を検討してみてください。すでに料金を支払っているサービスの一部として提供されているため、使わないのはもったいないと言えるでしょう。
AppSheetのプラン選びで注意したい「カウント方法」

AppSheetの料金プランを選ぶ際、最も重要なのが「必要なライセンス数」の計算です。実は、このライセンスのカウント方法には独特のルールがあり、理解していないと想定外の費用が発生する可能性があります。
AppSheetでは、基本的に「ログインして使用するユーザー」をライセンス数としてカウントします。一方、Publisher Proプランでは「ログインなしでアクセスするゲストユーザー」という考え方になり、カウント方法が異なります。この違いを理解しておくことが、適切なプラン選びの第一歩です。
AppSheetの料金計算の基本となるのが「アクティブユーザー」という概念です。アクティブユーザーとは、以下の条件を満たすユーザーを指します。
- メールアドレスでAppSheetにサインインしている
- デプロイ(正式運用)されているアプリを使用している
- 請求期間内(前回更新日から1ヶ月間)に上記の条件で利用している
つまり、ただアプリの開発に参加しているだけでなく、実際にサインインして運用中のアプリを使った人がカウント対象となります。
ライセンス数のカウントは、メールアドレス単位で行われます。これは実務上、非常に重要なポイントです。
例えば、ある社員が以下のような形でアプリを使っていたとします。
- 会社のデスクトップPC
- 会社のノートPC
- 個人のスマートフォン
- 個人のタブレット
これらすべてで同じメールアドレスでサインインしている場合、ライセンスは「1」としてカウントされます。AppSheetでは、1人のユーザーが最大5台のデバイスまで利用できるため、複数デバイスを使っても追加料金は発生しません。
逆に言えば、同じ人が複数のメールアドレスでサインインした場合は、それぞれ別のユーザーとしてカウントされてしまいます。組織全体で統一されたメールアドレス管理が重要になります。
もう一つの重要なルールが、複数のアプリをまとめてカウントする点です。
例えば、3つのアプリ(在庫管理、日報管理、顧客管理)を運用している会社で、以下のような共有状況だったとします。
- 在庫管理アプリ: Aさん、Bさん、Cさん(3名)
- 日報管理アプリ: Aさん、Bさん、Dさん(3名)
- 顧客管理アプリ: Aさん(1名)
この場合、必要なライセンス数は「3+3+1=7」ではありません。デプロイされた全アプリについて、ユニークなメールアドレス数でカウントするため、答えは「4」(A、B、C、Dの4名)となります。
つまり、ライセンスを取得したユーザーは、複数のアプリを追加料金なしで利用できるということです。これは、組織内で複数の業務アプリを展開する際の大きなメリットと言えます。
ライセンス数の計算で見落としがちなのが、請求対象期間の考え方です。
AppSheetでは、前回の更新日から1ヶ月間にアクティブだったユーザー数を対象に請求されます。例えば、3月1日に契約した場合、3月1日から3月31日までの間に一度でもアプリにサインインして使用した人が全員カウントされます。
ここで注意が必要なのが、アプリのデプロイ前に共有していたユーザーです。
例えば、10名でプロトタイプを共有して開発し、テスト完了後にメンバーを5名に減らしてからデプロイした場合を考えてみましょう。一見、必要なライセンス数は5のように思えます。
しかし実際には、請求期間内(1ヶ月間)に削除した5名がアプリにアクセスしていた場合、その人たちもアクティブユーザーとしてカウントされます。結果として、必要なライセンス数は10となってしまうのです。
AppSheetでは、アクティブユーザー数が設定したライセンス数を超えた場合、自動的にライセンスが追加されることはありません。代わりに、アプリの所有者に警告メールが届きます。
このメールを受け取ったら、速やかに「My Account」の「Billing」画面からライセンス数を手動で増やす必要があります。放置すると、最悪の場合アカウントが停止される可能性もあるため、注意が必要です。
ライセンス数を変更した場合の料金は、次回更新時に日割り計算で精算されます。例えば、月の途中でライセンス数を5から10に増やした場合、増やした5ライセンス分について、残り日数分の料金が請求されます。
実際にデプロイする前に、必要なライセンス数を確認する方法があります。
AppSheetエディタの「Share」アイコンから、現在アプリを共有しているユーザーのメールアドレスを一覧できます。デプロイ予定の全アプリについて、共有ユーザーをメールアドレス単位で数えることで、必要なライセンス数の目安がわかります。
ただし、前述の通り請求期間内のアクティブユーザーが対象となるため、余裕を持ったライセンス数の設定が推奨されます。
Publisher Proプランでは、ログイン不要で利用できるため、ユーザー数のカウント方法が根本的に異なります。この場合、アクセス数や端末数などの状況に応じて料金が変動する可能性があります。
一般公開アプリを検討している場合は、想定されるアクセス数や利用状況について、Googleに直接相談することをおすすめします。
AppSheetのライセンス管理で失敗しないためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- デプロイ前の共有ユーザーに注意: テスト段階で多くの人と共有する場合、デプロイ後もその期間は料金が発生することを念頭に置く
- 定期的な利用状況の確認: 実際に使っていないユーザーがいないか定期的にチェック
- 組織的なメール管理: 1人が複数のメールアドレスを使わないようルール化
- 余裕を持ったライセンス設定: ギリギリの数ではなく、少し余裕を持って設定
これらのポイントを理解した上でプランを選ぶことで、予想外のコスト発生を防ぎ、適切な予算管理が可能になります。
非営利団体・教育機関には割引が適用されることも
AppSheetは、一般企業向けだけでなく、非営利団体や教育機関に対しても特別な料金プランを用意しています。社会貢献活動や教育活動を支援する目的で、割引制度が設けられているのです。
AppSheetの公式情報によると、「税免除ステータスが確認できる教育機関および非営利団体には割引を提供している」と明記されています。
この割引制度を利用するには、組織が正式に非営利法人や教育機関として認定されていることを証明する必要があります。具体的には、税務上の優遇措置を受けている団体であることの証明書類を提出することになります。
割引制度の対象となる可能性がある団体には、以下のようなものがあります。
- 非営利団体(NPO): 公益活動を行う特定非営利活動法人
- 公益法人: 公益社団法人、公益財団法人
- 教育機関: 学校法人、大学、専門学校
- 社会福祉法人: 福祉施設や介護施設を運営する団体
- 医療法人: 病院や診療所(非営利型)
ただし、具体的な適用条件は国や地域によって異なる場合があります。日本国内での詳細な適用条件については、Googleに直接問い合わせることをおすすめします。
非営利団体や教育機関にとって、さらに有利な選択肢があります。それが、Google Workspaceの非営利団体向け・教育機関向けエディションです。
前述の通り、以下のGoogle Workspaceエディションには、AppSheet Coreライセンスが標準で含まれています。
- Nonprofits: 非営利団体向けエディション
- Education Standard: 教育機関向けエディション
つまり、これらのエディションを利用している組織であれば、AppSheetのCoreプラン(通常月額10ドル)を追加料金なしで利用できるということです。非営利団体や教育機関の多くは、すでにGoogle Workspace for NonprofitsやGoogle Workspace for Educationを利用しているケースが多いため、実質的に無料でAppSheetを活用できる可能性が高いと言えます。
AppSheetの割引制度を利用するための一般的な手順は以下の通りです。
- 組織の適格性確認: 自組織が非営利団体または教育機関として認定されているか確認
- 証明書類の準備: 税免除ステータスを証明する書類(登記簿謄本、認定証など)を用意
- Googleへの問い合わせ: AppSheetの公式サポートまたはGoogle Workspaceの営業担当に連絡
- 申請書の提出: 必要事項を記入し、証明書類とともに提出
- 審査と承認: Googleによる審査を経て、割引が適用される
申請から承認までの期間は、ケースによって異なります。余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。
具体的な割引率は公開されていませんが、非営利団体や教育機関にとっては大きなコスト削減につながる可能性があります。
例えば、30名の職員が使用する場合を想定してみましょう。
- 通常料金(Coreプラン): 月額10ドル × 30名 = 300ドル(約45,000円)
- 年間コスト: 約54万円
この金額に対して割引が適用されれば、限られた予算で活動している非営利団体や教育機関にとって、大きな助けとなります。
非営利団体や教育機関では、AppSheetを以下のような用途で活用できます。
- NPO: ボランティア管理、イベント参加者管理、寄付金管理
- 学校: 出席管理、施設予約システム、保護者連絡アプリ
- 福祉施設: 利用者情報管理、スタッフシフト管理、ケア記録
- 病院: 患者情報管理、医療機器管理、予約システム
これらのアプリを低コストで開発・運用できることは、組織の効率化とサービス向上に大きく貢献します。
割引制度を申請する際は、いくつか注意すべき点があります。
まず、組織全体が非営利・教育目的である必要があり、一部の部門だけが該当する場合は適用されない可能性があります。また、営利事業と非営利事業を両方行っている組織の場合、審査が厳しくなることもあるでしょう。
さらに、定期的な更新や再審査が必要になる場合もあります。非営利法人としてのステータスが継続していることを証明する書類の提出を求められることがあるため、最新の情報を保持しておくことが大切です。
非営利団体や教育機関でAppSheetの導入を検討している場合は、まずGoogleの営業担当やサポートに問い合わせることから始めましょう。自組織が割引の対象となるかどうか、具体的な割引率はどの程度か、申請に必要な書類は何かなど、詳細な情報を確認できます。
また、すでにGoogle Workspace for NonprofitsやGoogle Workspace for Educationを利用している場合は、AppSheet Coreライセンスがすでに利用可能になっている可能性があります。管理コンソールから確認してみることをおすすめします。
限られた予算の中で最大限の効果を生み出す必要がある非営利団体や教育機関にとって、こうした割引制度や無料プランの活用は非常に重要です。
ぜひ積極的に情報収集し、活用を検討してみてください。
AppSheetを使った開発ならEPICs株式会社
EPICs株式会社は、AppSheetをはじめBubbleやFlutterFlowなどのノーコードツールに特化したプロフェッショナル集団として、日本最大級の開発実績を誇るノーコード開発会社です。創業からノーコード開発に特化し、これまで150件を超えるアプリ・システムの開発実績があります。
EPICs株式会社では、お客様の「やりたい」を実現し、業務の効率化につながる業務アプリケーションを開発いたします。AppSheetの料金プラン選定から、Google Workspaceとの連携活用、最適なアプリ設計まで、お客様のニーズに合わせた開発をサポートします。
また弊社は、企画から設計、開発、そして導入後のサポートまで一貫して対応しております。最短2週間、最安30万円からの開発が可能で、定期的なアップデート、トラブル時の迅速対応など、導入後のサポート体制も万全です。
「どんなプランが最適か分からない」「予算に合うか不安」「Google Workspaceとの連携方法が分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
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